
“お蕎麦”は歴史も古く、日本料理の天ぷらやお寿司などと共に
ずっと日本人に愛されてきた料理です。
特に江戸時代の人々には“新そば”は首を長くして待つほどに愛される料理でした。
ちょうど今の時期、新そばが出荷される頃なのですが、夏にも新そばという言葉を
耳にすることがあります。
いったい“新そば“とは、いつ出るものをそう呼ぶのでしょうか?
夏の“新そば”と秋の“新そば”と何が違うのか調べてみました。
一番早い“新そば“の時期としては、7月上旬頃です。
出荷量は多くはないですが、これは最近盛んになってきた「春まきソバ」などと
呼ばれるもので、大分県の豊後高田市や、埼玉県の秩父地方などで栽培されています。
その後は、8月の終わりから9月にかけてで、北海道産のお蕎麦が中心に出ます。
そばの品種はキタワセソバなどです。
一方、秋に出る“新そば”は本州から四国、九州などの産地で栽培されるもので、
福井在来などの、いわゆる“秋ソバ”が中心になります。
夏の新蕎麦を略して“夏新(なつしん)”と呼び、秋の新蕎麦は“秋新(あきしん)”と
呼ばれています。
江戸時代に江戸っ子が首を長くして待っていたのは、まさに今の時期に出荷される
“秋新”のほうです。
しかし同じ“新そば”という名前で呼ばれてはいても、それぞれの時期のそばは、
はっきりと個性が分かれ、味も大きく違います。
どう違うかというと、秋の新そばのほうが、穀物のようなちょっと青くさく感じるほどの
強い香りで、色も淡い緑色を帯びていたりしいます。
香りも良く、味も良いというのが、昔から蕎麦好きの人々の常識となっています。
今まで、あまり新そばを意識したことはなかったのですが、そんなに違うんですね。
そんな秋新と呼ばれる新そばを是非食してみたいです。